FXの検証方法がわからない人は必見! 検証のやり方をわかりやすく解説!

検証(verification)とは、事実関係を確認するための作業を意味します。FXにおける検証では、トレード手法などに関して自分自身の考察(仮説)が正しいのか否かを明らかにするために、過去の相場推移をもとにしたシミュレーション結果や、実際の取引における成果を分析・判定します。
FXの検証における基本的な考え方とは?
「為替相場は理詰めで動いているわけではないのだから、トレード手法などを検証しても意味はない」との意見も聞かれますが、かといってやみくもに取引を繰り返しても、安定的な成果を上げていくのは困難です。過去の相場推移や実際の取引における損益状況を分析し、「これなら利益を上げられる可能性が高い」という手法を導き出していくことが重要となってきます。
優位性が高いという検証結果が得られたトレード手法で勝負することで、着実に利益を積み上げていくことが期待できるわけです。自分が得意とする手法を確立していくうえで、検証という作業は欠かせないものだと言えるでしょう。
FXにおける検証は、2つのアプローチに大別できます。1つは自分なりのトレード手法を確立するためのもので、もう1つはその軌道修正を図るためのものです。
まず、順張り(トレンドフォロー)と逆張りのどちらのスタンスで臨み、どんなことをエントリーや利益確定の判断材料とするのかについて、自分自身の手法を模索していきます。そして、過去における相場の推移をもとにシミュレーションを行って、その手法の有効性を検証するわけです。
検証結果から手応えを感じたら、リアルな取引で実証を進めていくことになります。シミュレーション結果とはかけ離れた成果しか得られない場合には、その原因を分析し判明させる必要が出てきます。
こうしてチューニング(調整)を行っていくことで、次第に自分なりのトレード手法が確立されていきます。さらに、自分の勝ちパターンが完成した後も検証は不可欠です。
相場の情勢に変化があれば、それまで有効だった手法が通用しにくくなるケースが出てくるからです。スランプに陥ってきたと感じたら、改めて自分の手法の有効性を検証し、エントリーや利益確定のタイミングなどの修正すべきポイントを洗い出す作業が求められてきます。
特にFXの初心者は、具体的な検証の方法がよくわからなかったり、なかなか上手くいかなかったりするかもしれません。しかし、難しく考える必要はありません。
FX検証の方法がわかからない場合はどうすればいい?
FXの取引手法に関して検証すべきポイントは、突き詰めれば3つに絞られてきます。それらとは、①セットアップ、②トリガー、③決済です。
セットアップは、自分がトレードを仕掛けるべき場面だと判断するための条件を定めることです。たとえば順張りの手法で狙うなら、2本の移動平均線(MA)がどちらも右肩上がりを示し、短期線のほうが長期線の上に位置し、為替レートがさらにそれらの上で推移しているので、上昇トレンドが続くと想定される(トレードを仕掛ける好機が到来している)といった具合に条件付けていきます。
そのうえで、いったん短期の移動平均線付近まで下落した為替レートが反発に転じたタイミングで買いのポジションを建てるなどといったように、エントリーを判断する基準となるのがトリガーです。移動平均線をはじめ、様々なテクニカル指標の中から自分が最も目安として活用しやすいトリガーを選択します。
決済についても、基本的にはトリガーのケースと同様で、テクニカル指標をもとに判断します。たとえば短期の移動平均線が長期の移動平均線を下抜いてトレンド転換の可能性が出てきたので、これ以上の深追いは禁物とみなして利益を確定させるといった具合です。
つまり、①はトレードを始めるに当たっての前提条件であり、②と③は売買に関する具体的な判断基準ということになります。FXにおける検証とは、それらが正しいのかどうかを確認する作業です。
ただ、そう言われてもFXの初心者には、実際にどのような方法で確かめればいいのかがピンとこないかもしれません。そういったニーズに応えて、過去の相場データをもとにその手法の有効性を判定できる検証ソフトが開発されています。
インターネット上からダウンロードできるケースも多く、その中には無償(無料)で提供されている検証ソフトもあります。そういったものを活用して、自分が考えた取引手法の有効性を検証してみるのも一考でしょう。
FXの検証を進めるうえでの注意点とは?
FXの検証を進めるうえでは、いくつかの注意しておきたいポイントがあります。その1つは、検証回数はできるだけ多くすることです。
検証を重ねるほど、有効性に対する判定の精度が向上するからです。一方で、検証の対象とするヒストリカルデータ(過去における相場の推移)の期間については、極端に長くしないほうがよさそうです。
相場環境やトレンドの変化に応じて有効性にも違いが生じますし、10年前と今ではボラティリティ(変動性)などが明らかに異なっており、正確な判定が難しくなってくるからです。そういったことも踏まえて慎重に検証を重ねていくと、結論に至るまでには相応の時間を要するケースも出てくるでしょう。
とはいえ、焦りは禁物です。手法の有効性が不確かな状態で取引を始めると、実戦で試行錯誤を繰り返すハメになります。その結果、いたずらに資金を減らしてしまうことにもなりかねません。
まとめ

検証はかなり地道な作業で、さっさと済ませて実際のトレードにチャレンジしたいと思うかもしれません。しかし、自分なりの取引手法がきちんと決まっていない状態で取り組むと、行き当たりばったりの対応になりがちで、おのずと成果にもばらつきが出てきます。
無料で利用できる検証ソフトなども活用し、自分が考えている手法の有効性をきちんと確認したうえで臨むのが賢明でしょう。そして、その後も相場情勢の変化を見据えながら検証を繰り返し、必要に応じて軌道修正を図っていきます。