初心者におススメできる通貨ペア、おススメできない通貨ペアとは?

FXでは様々な通貨ペアを取引できますが、その中には初心者がなるべく避けたほうがいいものも含まれています。初心者でも取引しやすい通貨ペアと、それなりに経験を重ねてからチャレンジしたほうがいい通貨ペアに整理してみましょう。

そもそも通貨ペアとは何か?

通貨ペアとは、FXで取引する通貨の組み合わせのことです。FXでは、必ず2つの通貨のうちのどちらかを買って、もう片方を売るという取引を行います。

相対的に価値が低下する(通貨安になる)と思ったほうを売って、価値が高まる(通貨高になる)と思ったほうを買い、為替相場が予想通りの展開となったタイミングで決済を行えば、レートの変動分に相当する為替差益が得られます。たとえば、日本円に対して米ドルの価値が高まる(米ドル高が進む)と予想したら、日本円を売って米ドルを買うというポジションを建てるわけです。

FXでは、通貨ペアの表記の仕方についてルールが定められています。米ドル/円といった表記になり、「/」マークの右側が主軸通貨、左側が決済通貨というのがその見方です。

主軸通貨とは、取引の主体となる通貨のことです。これに対し、決済通貨はその取引の決済のために用いる通貨を意味しています。

米ドル/円の通貨ペアで米ドルを買いたい場合には、そのために日本円を売ることになります。米ドル/円で米ドルを売りたい場合には、そのために日本円を買うことになります。

米ドル/円のように、やはり日本のトレーダーの多くは日本円と外貨との組み合わせを好むようです。なお、米ドル以外の外貨と日本円との通貨ペアのことを総称して「クロス円」と呼んでいます。

一方、米ドルと他の外貨の組み合わせには「ドルストレート」という総称がつけられています。米ドル/円も、この「ドルストレート」に含まれます。

現在、日本国内で金融庁の登録を受けているFX会社や証券会社の中には150種類以上、50種類といった膨大な数の通貨ペアを取り扱うところも存在しています。ただ、主流は20種類前後ですし、あまりにもマイナーな存在の通貨は取引が活発ではありません。

異なる通貨ペアの間には、何らかの関係性があるの?

流通量や発行国の経済情勢、金利水準、主要な産業などの違いによって、個々の通貨の特徴が異なってきます。こうした特徴の違いは、通貨ペアにも影響を及ぼすことになります。

一方、米ドル/円、ユーロ/円、ユーロ/米ドルの関係性に大きな特徴があることも覚えておくと便利です。「ユーロ/円のレート=米ドル/円のレート×ユーロ/米ドルのレート」という関係が成り立っているのです。

こうした関係性から、米ドル/円とユーロ/米ドルがそれぞれ同じ変動率で逆方向に推移した場合には、それらの動きで相殺されてユーロ/円のレートは横ばいとなります。つまり、米ドル/円とユーロ/米ドルが逆相関関係を示した(逆方向に動いた)局面では、ユーロ/円の相場に大きな変化は期待しづらいわけです。

これに対し、米ドル/円とユーロ/米ドルの相関関係が高まった(同じ動きを示した)局面では、それぞれの相乗効果でユーロ/円も同じ方向へより大きく動くことが想定されます。

同じように、「英ポンド/円のレート=米ドル/円のレート×英ポンド/米ドルのレート」や、「豪ドル/円のレート=米ドル/円のレート×豪ドル/米ドルのレート」といった関係も成立しています。なぜなら、ユーロや英ポンド、豪ドルと日本円を交換する際には、いったん日本円を米ドルに交換し、その米ドルをユーロや英ポンド、豪ドルと交換するというプロセスを経ているからです。

初心者にオススメの通貨ペアとは?

続いて、通貨ペアの選び方について考えてみましょう。FX で期待できる利益には為替差益とスワップポイントがあり、どちらにフォーカスを当てて取引するのかによって、ターゲットとして相応しい通貨ペアも違ってきます。まず、為替差益を追求したい場合には、おのずと相場が変動しやすい通貨ペアに注目することになってくるでしょう。

ただし、その一方で見逃せない別のポイントも存在しています。それは取引量の多さ(流動性)です。あまり活発に売買されていない通貨ペアを選んでしまうと、買いや売りの好機でなかなか取引が成立しないというアクシデントが発生しがちです。

加えて、Bid(売値)と Ask(買値)の差額で、トレーダーが負担するコストであるスプレッドの幅ができるだけ狭い通貨ペアを選ぶことも大前提となってきます。スプレッドの負担が大きいと、その分だけせっかくの為替差益が目減りしてしまうからです。

さらに言えば、あまりにも変動が派手な通貨は読みが外れた場合に損失も拡大しやすいので、相応の投資経験があるトレーダーでなければなかなか攻略が難しいと言えます。これらの観点から的を絞っていくと、初心者がFXで為替差益を狙うのにオススメの通貨ペアとしては、まず米ドル/円がその筆頭に挙げられるでしょう。

次に、世界で最も取引量が多いという点でユーロ/米ドルも候補に入ってきます。先述した関係性に着目すれば、さらにユーロ/円も今後の推移を比較的予想しやすいと言えるかもしれません。

一方、スワップポイントは「金利差相当額」とも呼ばれ、金利が高いほうの通貨を買って、金利が低いほうの通貨を売るというポジションを建てている場合に、それを決済するまで日々得られるものです。周知の通り、日本国内の金利は超低水準となっているのに対し、国際的に見比べてみるとトルコやメキシコ、南アフリカの金利は高めになっています。

こうしたことから、スワップポイント目当てで投資する場合にはトルコリラやメキシコペソ、南アフリカランドと日本円の組み合わせが魅力的だと言えるでしょう。ただし、これらの新興国通貨は値動きも派手になりがちなのが難点です。

外国為替相場の動向次第では、得られたスワップポイントを上回る為替差損を被る恐れも出てくるわけです。これら3つの通貨の中では、メキシコペソは最も無難だと言えるかもしれません。

初心者にはオススメできない通貨ペアとは?

初心者にはオススメできない通貨ペアには、オススメできる通貨の条件を満たしていないものがすべて該当します。つまり、①取引量が限られている、②スプレッドの幅が広い、③値動きが派手すぎる−−といった条件のいずれかが当てはまるものです。

世界的にあまり知られていないマイナーな存在の通貨はおのずと取引量も乏しくなってきますし、そういったものはスプレッドの幅も広めの設定になりがちです。また、概して新興国通貨は値動きが派手だと言えますが、先進国の通貨でも英ポンドは投機的な動きで値動きが荒くなりやすい傾向がうかがえます。

前述の3つの条件のいずれかが該当する通貨ペアは、初心者が手を出すには難易度が高すぎるのでしょう。FXの取引に慣れてくるまでは、どんなに興味があっても相場の推移を観察するだけにとどめて、初心者向きの通貨ペアのトレードに専念しましょう。

長期の運用に適した通貨ペア、短期の運用に適した通貨ペアとは?

長期の運用を前提にFXを取引する場合は、スワップポイントに主眼を置くのが基本で、そうなると投資対象は高金利国の通貨と日本円のペアに絞られてくるでしょう。ただし、先に述べたように「現状の高金利国=新興国」となっているので、値動きが大きいことには留意すべきです。

したがって、大きな為替差損を被らないようにレバレッジの倍率は極力低くするのが無難でしょう。そのうえで、長期のスタンスとはいえ、その通貨を発行している国の政治や経済の情勢次第ではいったん資金を引き上げるという作戦変更も念頭に置きたいところです。

これに対し、短期の運用ではおのずと為替差益を狙うトレードとなってきます。それなりに投資経験のある人なら、ダイナミックな値動きを期待できる新興国通貨や英ポンドなどを攻略するのも一考でしょう。

FXの初心者については、短期の運用の場合も値動き以上に取引量の多さに裏づけされた安定性や、予測のしやすさを重視して選んだほうがよさそうです。その意味では、圧倒的に入ってくる情報量が多い米ドル/円から取引をスタートし、着実に経験と実績を積み重ねていくのが王道だと言えます。

まとめ

FXでは様々な通貨ペアを取引できますが、初心者に適したものは限られてきます。慣れないうちは世界的に取引量が多く、スプレッドの幅が狭い米ドル/円やユーロ/米ドルなどを中心に取引し、リスクを抑えながら経験値を蓄積していくのが定石です。