FXの「自動売買」とは? 自動売買で上手く儲けるコツはあるの?

そもそも経済指標って何? 為替相場にはどう影響するの?

本来の金融商品の取引は、市場の動きを観察しながらチャンスを見定め、自分自身でタイミングを判断して売買を行うものです。しかし、FXにはプログラミングに沿ってコンピューターがオートマチックに取引を進める「自動売買」があります。

FXの自動売買(システムトレード)とは?

外貨預金などでは、手元にある日本円を売って外貨を買うというパターンから取引がスタートします。これに対し、FXでは手元に外貨を所有していなくても、外貨を売って日本円を買ったり、外貨を売って別の外貨を買ったりすることが可能です。

たとえば、米ドル/円相場で米ドル高・円安が進むことが予想される場合は、日本円を売って米ドルを買い、期待通りに相場が動けば為替差益が得られます。この取引を、米ドルの「買い(ロング)」と呼びます。

逆に、米ドル安・円高が進むと思った場合は、米ドルを売って日本円を買い、予想が当たればば為替差益が得られます。この取引を、米ドルの「売り(ショート)」と呼びます。

通常、こうした「買い」や「売り」をどのようなタイミングでどういった戦略に沿って進めていくのかについては、すべて自分自身の判断で行い、その都度、注文を出していく必要があります。いわゆる「裁量トレード」です。

これに対し、特定の戦略に基づいたプログラミングによって、システマティックに売買が行われていくのが「自動売買」と呼ばれるもので、システムトレードとも呼ばれています。口座に資金を投入して取引をスタートすれば、そこから先は相場の情勢に応じて自動的に売買が進められていくので、忙しい人やビギナーでも気軽にFXにチャレンジできます。

FXの「自動売買」ツールの種類と特徴とは?

多くのFX会社は「自動売買」のためのツールを提供しており、それを利用すれば簡単にオートマチックな取引を始められます。ただ、いずれのツールもすべて同じ仕様になっているわけではなく、いくつかの種類に分かれており、それぞれに特徴があります。

ここでは、主な「自動売買」のツールを比較してみましょう。まず、「リピート型」と呼ばれているものはそのネーミングの通りで、特定の条件を満たす度に延々と売買が繰り返されていくように設計されています。

最初に一定の値幅を設定すると、その範囲内で売買がリピートされていくので、相場の動きをずっと観察していなくてもチャンスを見逃すことがありません。ほぼ同じ価格帯で上下動を続けている「レンジ相場」で、特に効力を発揮するツールです。

一方、「ストラテジー選択型」と呼ばれるツールは、様々なストラテジー(投資戦略)に沿ったプログラミングが用意されており、その中から希望のものを自分で選ぶようになっています。ストラテジーを提供しているのは、国内外のプロや実際にFXで好調な実績を上げているトレーダーなどです。

ストラテジーの概要や過去の実績などがリストアップされているので、その中から期待できそうなものを自分で選ぶわけです。「ストラテジー選択型」の一例として挙げられるツールが「ミラートレーダー」で、イスラエルのトレーデンシー社が開発しました。

また、相応の投資経験がある人向けに、ユーザー自身がストラテジーを構築して売買ルールを自由に設定できるツールもあります。「ストラテジー設定型」と呼ばれ、自分が好む取引スタイルに合った「自動売買」を進められます。

「ストラテジー選択型」 と「ストラテジー設定型」の両方の特徴を兼ね備えているツールが「 MT4(メタトレーダー)」で、こちらはロシアのMetaQuotesSoftware社が開発しました。世界中の開発者やトレーダーがEA(エキスパート・アドバイザー)と呼ばれるプログラミングを提供しており、その中から希望のものを選んで「自動売買」を進められますし、自分自身でプログラミングを組むことも可能です。

FX自動売買のメリット・デメリット

「裁量トレード」でコンスタントに利益を得ていくためには、おのずとそれなりの知識や経験が求められてきます。また、こまめに相場の推移をチェックしておかないと、せっかくのチャンスを見逃しかねません。

しかし、「自動売買」なら相場の情勢に応じて取引が機械的に進められていくので、知識や経験は特に問われませんし、相場の推移をずっと観察している必要もありません。また、とかく「裁量トレード」は感情に左右されがちで、自分の予想が外れていても、「もう少し辛抱してみよう……」などと思いがちです。

その結果、損失がさらに増えてしまうというケースがありがちなのです。一方で、利益が出ている場合は相場の流れが反転するのが怖くて性急に決済を済ませ、大きく儲けられるチャンスを逃すことが少なくありません。

機械的にトレードが進められていく「自動売買」なら、こうした感情的な判断は介在せず、一貫した方針に基づいたブレないトレードが遂行されます。ただ、「自動売買」にもデメリットが存在していることも確かです。

先ほど、知識や経験がないまま「裁量トレード」で着実に儲けるのは難しいと述べましたが、そのことがプラスに働くことも考えられます。「裁量トレード」は回数を重ねるうちに、知識が蓄積されてスキルも高まっていくことを期待できるのです。

その点、基本的に機械任せにしている「自動売買」では、自分自身のトレーダーとしてのスキルをなかなか磨きにくいことがデメリットと言えるでしょう。また、相場の情勢が大きく変わり、期待通りの成果を上げていたストラテジーが急に通用しなくなる可能性も考えられます。

さらに言えば、「自動売買」に関しては詐欺行為が横行している点も注意すべきでしょう。そのシステムを用いて大儲けしているように装い、優雅な暮らしぶりをSNSで拡散して興味を抱かせ、高額の「自動売買」ソフトを売りつけるという手口です。

そのソフトでトレードを行っても実際には成果が上がらず損失がかさむばかりで、キャンセルにも応じてもらえず泣き寝入りという被害が増えているのです。ネット上で販売されている得体の知れないない「自動売買」ソフトには手を出さず、金融商品取引法に基づく登録を受けているFX会社のツールを用いるのが賢明でしょう。

FXの初心者でも「自動売買」で着実に儲けるコツとは?

知識と経験がゼロの初心者でも気軽に始められる「自動売買」ですが、着実に利益を得ていくためには、それぞれのツールの特性を踏まえて、適切に使いこなしていくことが重要となってきます。まず、「リピート型」のツールはなかなか方向感(トレンド)の定まらない「レンジ相場」に的を絞って利用するのが無難でしょう。

言い換えれば、上昇や下落といったトレンドが明確になっている局面ではストップロスを連発するばかりで、利益を得る機会がなかなか訪れない可能性が考えられます。ストップロスとは、深傷を負うことを防ぐために少額の損失が出た段階で行う見切りの決済で、「自動売買」の場合は所定の条件を満たせば機械的に実施されます。

一方、「ストラテジー選択型」は、できるだけ長期間における実績をチェックすることが大切です。直近において高い実績を達成しているストラテジーが注目されがちですが、たまたま足元の相場展開にぴったり合っていただけで、流れが変わると不振に陥る恐れがあります。

群を抜くような高実績ではなくても、相場の情勢にさほど左右されず、安定的に利益をもたらしているストラテジーのほうが安心して利用できるでしょう。あまり欲張らず、堅実に利益を積み上げていく姿勢で臨みたいところです。

まとめ

「裁量トレード」はハードルが高すぎるという初心者や、忙しくてなかなか相場の推移をウォッチできないという人でも、気軽に始められるのがFXの「自動売買」です。様々なツールが普及していますが、ネット上で販売しているソフトには胡散臭いものが紛れているので、金融商品取引法に基づく登録を受けているFX会社が提供しているものを選ぶのが賢明です。

また、各々のツールの特性をきちんと理解しておくことも大切です。そのうえで、「ストラテジー選択型」では目先のパフォーマンスが派手なものばかりに目を奪われず、実績が安定的に推移しているものに目を向けるようにしましょう。