スプレッドとは? FX初心者が知っておきたい基礎知識をわかりやすく解説!

FX取引には、必ずスプレッドと呼ばれるコストが関わってきます。無意識のうちにトレーダーが負担しているコストで、損益にも少なからず影響を及ぼします。スプレッドとはどういったもので、どのような意味があり、注意すべきことは何かについてわかりやすく説明します。

FX取引につきものの「スプレッド」って何のこと?

銀行や空港の外貨両替コーナーでは、たとえば「日本円→米ドル」のレートが1米ドル=108円50銭と表示されているのに対し、その時点における「米ドル→日本円」のレートは102円50銭といったように、両者の間には差が設けられています。実はこの差がスプレッドと呼ばれるもので、両替(通貨の交換)に応じている金融機関が手数料相当分として徴収しています。

上記の例では、外国為替市場(インターバンクと呼ばれる金融機関向けのマーケット)においてリアルタイムで取引が成立したレートが105円50銭だったとしたら、「日本円→米ドル」と「米ドル→日本円」のそれぞれ3円ずつ手数料を上乗せしたレートを提示しています。為替相場がまったく変動しなかったとしても、108円50銭を支払って手に入れた1米ドルを再び日本円に戻すと102円50銭しか得られず、合計で1米ドル当たり6円の手数料を負担しているわけです。

FXでは、通貨を売る場合の適用レートを「Bid(売値)」、通貨を買う場合の適用レートを「Ask(買値)」と呼んでおり、その差額がスプレッドとなっています。もっとも、先ほどの外貨両替の場合は「米ドル/円」のスプレッドが6円であったのに対し、FXの場合は高くても数銭、安ければゼロコンマ以下の設定となっています。

FX会社のスプレッドはどこでも同じ?

外貨両替とFXではかなりの違いがあったように、スプレッドは横並びの設定になっていません。外貨預金や外貨MMF、FXなどといった金融商品によって異なっていますし、FX会社の間でも違いがあります。

金融商品をスプレッドが狭いものから並べると、「FX<外貨MMF<外貨預金」という順番になります。ただ、同じ金融商品であっても、取り扱っている金融機関によってスプレッドが異なっているケースも少なくありません。

FX会社によってもスプレッドの設定には違いがあります。たとえ1通貨単位ではわずかな差であっても、レバレッジをかけてそれなりの規模の取引を行えば、軽視できないコストの違いを生むことになるでしょう。

FX会社の場合も然りで、「為替手数料無料」とアピールしながらも、スプレッドのほうは競合他社よりも広く設定しているケースも見受けられるので、しっかりとチェックしておいたほうがいいでしょう。

また、通貨ペア(米ドル/円などといった通貨の組み合わせ)によっても、スプレッドにはかなりの違いがあります。米ドルやユーロ、円は流通量が多く、通貨の交換に応じる側も調達コストを抑えられるので、相対的にスプレッドが狭くなっています。

しかし、スイス・フランや南アフリカ・ランドなどは主要通貨と比べれば流通量が限られ、スプレッドが相対的に高めになっています。通貨ペアによるスプレッドの違いについても、実際に取引を始める前にきちんと確認しておきましょう。

スプレッドはどんな単位で表示されている? pipsって何?

外貨両替や外貨預金のようにスプレッドが高いものは円の単位で表示できますが、スプレッドが狭いFXの場合はもっと少額の設定です。そこで、日本円との組み合わせになる通貨ペアでは「銭」でスプレッドが示されます。

一方、日本円以外の通貨同士の組み合わせでは、pips(ピップス)という単位が用いられています。1pipsは日本円に換算すると0.01円(1銭)に相当するので、100pipsがちょうど1円(100銭)となります。

また、pipsは通貨ペアのスプレッドの表示以外にも、為替差益や為替差損の金額を示す際にも用いられます。FXのトレードではよく用いられる単位なので覚えておきましょう。

スプレッドが狭い場合のメリットとデメリットとは?

FXの世界では、トレーダーが負担するスプレッドが少額であることを、「スプレッド(の幅)が狭い」と表現します。では、スプレッドの違いはどのような影響をもたらすのでしょうか。

FXで期待できる収益に為替差益と呼ばれるものがありますが、スプレッドの設定が高いと、それが目減りしてしまいます。為替差益とは、取引を始めた時点と決済を行った時点の為替レートの違いに応じて生じるものです。

たとえば1米ドル=105円で米ドルを買い、1米ドル=107円まで円安・ドル高が進んだ時点で決済した(日本円を買い戻した)場合、1米ドル当たり2円の為替差益が得られます。しかし、その際に「日本円→米ドル」と「米ドル→日本円」のプロセスで合計2円のスプレッドが設けられていると、為替差益は帳消しになってしまいます。

しかし、スプレッドが0.5銭などといった非常に狭い設定なら、上記の為替差益をほぼ全額に近いかたちで享受できます。これが、スプレッドが狭い場合のメリットです。2円の為替差益と聞くと小銭の印象を抱くかもしれませんが、FXでは1万通貨以上の取引も珍しくなく、スプレッドの違いは軽視できない差を生むことになります。

それでは、スプレッドが狭いことによるデメリットはあるのでしょうか。デメリットというよりも、気をつけたいことがあります。たとえば、スプレッドは狭くても他に手数料を徴収するというパターンもありうるので、そういった点を見逃さないようにしたいところです。また、期間限定キャンペーンでスプレッドを縮小するFX会社もありますが、期限内に取引を決済しないとスプレッドが違ってきます。

さらに、スプレッドが狭くても約定率があまり高くないケースも要注意です。なぜなら、スリッページと呼ばれるアクシデントが発生する可能性が考えられるからです。

スリッページとは、外国為替レートが一気に大きく変動した際などに、自分が希望した売買レートと約定(取引が成立)したレートとの間にギャップが発生する現象です。こうしたアクシデントを踏まえてなのか、スプレッドは相対的に高めの設定になっているにもかかわらず、約定率に定評があるとされる海外のFX会社・XM(エックスエム)が一部のトレーダーの間で人気を博しています。

もっとも、XMの評判についても、「約定率が高くてスリッページが少ない」「いやいやスリッページはよく発生する」と意見が二分されている様子です。スリッページについては、約定率だけでなく、個々のトレーダーの手法なども関係している可能性も考えられるでしょう。

まとめ

スプレッドとは、通貨を売る際の適用レート「Bid(売値)」と、通貨を買う際の適用レート「Ask(買値)」の間に設けられている差額のことで、取引に応じる事業者が手数料として徴収しています。スプレットが狭く(差額が小さく)、手数料負担が軽くなるほど、為替差益を狙いやすくなります。

FX会社によって同じ通貨ペアでもスプレッドの設定が異なっているので、しっかりと比較したうえで、より有利なFX会社で取引を行うのが基本です。また、スプレッドだけでなく、約定率の高さなどもチェックするように心掛けましょう。