FXの損益計算とは? 利益を出すために考えておくべきポイントとは?

FXでは、通貨の交換レートの変動に応じて為替差益や為替差損が発生します。また、金利が低いほうの通貨を売り、金利が高いほうの通貨を買うと、スワップポイント(金利差調整分)と呼ばれる利益も得られます。

FXの損益計算とは、自分が建てているポジションにおいてこれらの利益や損失がどれだけ発生しているのかを算定することです。けっして難しいものではありませんから、その計算方法を覚えておきましょう。

FXで利益を得るために、きちんと考えておくべきポイントとは?

FXで通貨ペアを取引するのは、為替差益やスワップポイントといった利益を求めているからです。ただし、やみくもにトレードを行っても、それらが必ず得られるというものではありません。

価値が低下しそうな通貨を売って価値が上昇しそうな通貨を買い、その予想通りに相場が推移することによって、為替差益を得ることが可能となります。こうした基本に徹するとともに、予想が外れた場合の損切り(見切り処分の決済)によって、大きなダメージを被らないことも求められてきます。

そして、利益確定や損切りの判断を行ううえでは、自分が建てているポジションの損益状況をきちんと把握する必要があります。つまり、損益計算です。

1回のトレードにおける損益は、勝った(儲けた)か、負けた(損した)か、という結果の違いにすぎないように思われます。しかし、その積み重ねは月間の収支、年間の収支へと影響を及ぼし、勝った回数のほうが多くても負けた場面での損失額のほうが大きければ、トータルではマイナスとなることも考えられます。

お金を増やそうと思ってFXを始めたのに、むしろ減らしてしまうわけです。そのような状況に陥らないためにも、損益計算が重要な意味を持っています。しかも、FXにおける年間の収支には税金も関わってきます。

為替差益やスワップポイントとして得られたFXの利益に対しては、20.315%(所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%)が課されます。正確な税金の金額を計算するためには、年間の利益と損失を通算して収支を明らかにしなければなりません。

本来、年収2,000万円以下の給与所得者は勤務先が行う「年末調整」だけで納税手続きが完結しますが、1年間にFXで得られた利益が20万円超に達している場合は話が別です。自分自身でFXの収支を計算し、確定申告を行う必要があります。

各通貨ペアの損益計算方法と計算例

米ドル/円および、クロス円(米ドル以外の外貨と日本円のペア)の場合、建てているポジションでどれだけの損益が発生しているのかを把握するのは簡単です。1万通貨の取引なら、1円の変動で1万円(1,000通貨の取引なら、1円の変動で1,000円)の為替損益が出ていることになります。

たとえば、1米ドル=105円50銭の時点で1万通貨の日本円売り・米ドル買いポジションを建てたと仮定しましょう。そして、為替レートが107円60銭になったタイミングで決済を行ったとしたら、2円10銭の変動(円安)が生じているので、「2円10銭×1万通貨=2万1,000円」の為替差益が得られています。

ポジションを建てている間は、スワップポイントが得られるケースも出てきます。スワップポイントは金利情勢などに応じて日々変動しますが、仮に一定だったとして、先述の日本円売り・米ドル買いの例では1日当たり1万通貨につき14円が得られ、ポジションの保有期間は50日間だったことにしましょう。

すると、為替差益とは別に「14円×50日分=700円」のスワップポイントが入ってきた計算になります。2万1,000円の為替差益に700円を加えた金額がこのトレードで得られた利益となるわけです。

先程の例では予想通りに円安が進んで為替差益が生じていましたが、逆に2円10銭の円高が進んだ場合はどうなるでしょうか? 2万1,000円の為替差損が発生していますが、700円のスワップポイントを得ているので、損失はその分を差し引いた2万300円になります。

一方、日本円が関与しない外貨同士の通貨ペアでは、損益状況をpips(ピップス)と呼ばれる値動きの単位で把握します。それらの通貨ペアにおいては0.0001を最小の値動きの単位として1pips とカウントするのです。

たとえば、1万通貨の米ドル売り・ユーロ買いポジションを建て、ユーロ/米ドルのレートが1.1800から1.1801になると1pipsの変動が生じたことになります。1万通貨の取引では、1pipsの値動きで1米ドルの損益が発生します。

もしも1ユーロ=1.1800米ドルの時点で1万通貨の米ドル売り・ユーロ買いポジションを建て、1.1850米ドルまでユーロ高が進んだタイミングで決済を行ったとしたら、50pipsの為替差益が発生します。「50pips×1米ドル=50米ドル」の利益が得られたわけです。

では、スワップポイントはどうなるでしょうか? 日本円と外貨との組み合わせになっている通貨ペアでは、得られるスワップポイントが日本円で提示されています。

これに対し、外貨同士の通貨ペアでは「決済通貨」建てで表示されています。「決済通貨」とは、通貨ペアにおいて右側に表記されているもので、米ドル/カナダドルならカナダドル、ユーロ/英ポンドなら英ポンドが該当します。

利益と損失のバランスはどのように考えればいいの?

pipsはあらゆる通貨ペアの値動きを示す単位として用いることが可能で、日本円との組み合わせでは1pips=0.01円(1銭)に相当します。つまり、10pips=10銭、100pips=1円となるわけです。

米ドルと他の外貨(日本円以外)との組み合わせの場合は、1pips=0.0001米ドル(0.01セント)、10pips=0.001米ドル(0.1セント)、100pips=0.01米ドル(1セント)となります。たとえば、1万通貨の取引で500pipsの値幅を得られて、その時点の米ドル/円相場が1米ドル=105円だったとしたら、日本円に換算して「0.05米ドル×1万通貨×105円=5万2,500円」の利益が発生している計算となるのです。

損益状況の把握については、簡単な入力だけですぐに判明する損益計算ツールがインターネット上で提供されています。ただ、pipsと日本円、米ドルとの関係を知っていれば、そういったツールを用いる前の段階で、おおよその状況をつかむことが可能となります。

こうして自分が建てているポジションで発生している損益状況を把握できれば、損失が膨らむ前に損切りに踏み切るという対応も的確となってきます。損失をできるだけ抑えつつ、予想通りの展開となったトレードではできるだけ利益を伸ばすようなコントロールが可能となるわけです。

FXに限らず多くの投資では、必ずしも勝率の高さが成功に結びつくわけではありません。たとえ9勝1敗のアベレージであっても、損切りの判断が遅いとわずか1回の損失が9回分の利益を帳消しにしてしまうことがあります。

成功を収めているトレーダーの多くは、勝率の高さではなく、損失の度合いを抑えることにフォーカスを当てています。勝率が5割を切っていたとしても、損切りを敢行してダメージを最小限にとどめていれば、トータルでは利益のほうが上回るようにコントロールできるからです。

損失は極力少額にとどめるようにしながら、読みが的中したトレードでは性急に決済せず、できるだけ利益を伸ばすように努める−−。この“損小利大”のスタンスこそ、投資で成功するための秘訣だと言われています。

まとめ

自分が建てているポジションの損益状況をきちんとチェックすることは、収支の向上を図るうえで非常に重要な作業です。損益計算ツールを用いれば簡単に把握できますが、どの程度の値動きでどれくらいの損益が生じるのかについて、おおよその関係が理解できているとより判断が的確となるでしょう。

1回のトレードにおける損益をしっかり確認しながら、必要に応じて損切りも行い、“損小利大”のスタンスに徹するように努めれば、少なくとも大損を被って資金が尽きてしまうようなことは避けられるはずです。