為替って何? 円高・円安とは? 初心者向けに超わかりやすく解説!

日頃からニュースなどで、「為替(かわせ)相場で急激に円安が進み……」といった表現を耳にしがちですが、そもそも為替という言葉は何を意味しているのでしょうか? そして、円安や円高が進むとどのような影響が及ぶのかについてわかりやすく解説します。

そもそも為替とは? 為替レートはどうやって決まる?

為替とは、現金を直接やりとりせずに決済する(取引を完結させる)手段のことを意味しています。現金を送ると紛失や盗難のリスクがあるので、それを避けるための策として発達し、そのルーツは商人たちが為替手形を用いていた江戸時代にまで溯るとも言われています。

その具体的な手段として挙げられるのが為替手形や小切手、郵便為替、銀行振込などで、こうした国内におけるやりとりは内国為替と呼ばれています。一方、異なる通貨が用いられている海外の国々と決済を行うのが外国為替です。

原材料や製品、農産物・畜産物などの輸出入をはじめ、海外の有価証券や不動産への投資といったグローバルな取引は、外国為替を通じて行われるようになっています。そして、内国為替のケースと根本的に違っているのは、異なる通貨を用いている国々とお金のやりとりを行うことです。

つまり、通貨の交換が必ず関わってくるわけです。たとえば、日本の製品を米国に輸出・販売する際には、代金を米ドルで受け取ってそれを日本円に交換することになります。では、異なる通貨との交換はどうやって行われるのでしょうか? 

それは、太古の時代の物々交換をイメージするとわかりやすいでしょう。海辺に住む人たちが捕った魚と山辺に住む人たちが栽培した豆を交換する際には、それぞれが希望の条件を提示し、「魚1匹=豆105粒」といったように、両者の折り合いがついた比率で交換が行われていたはずです。

外国為替の世界でも、似たような折衝が繰り広げられているのです。魚を米ドル、豆を日本円に置き換えてみれば、「1米ドル=105円」といったように海外旅行でもお馴染みのレート表示になるので、ピンとくるのではないでしょうか? 

日夜、世界のあちこちでは特定の通貨を買いたい人と売りたい人が1対1で交換比率や取引数量といった条件を提示し、合意に至れば取引が成立するという行動パターンが繰り返されています。こうして決まっているのがニュースなどで報じられている為替レートです。

ただ、外国為替の取引はプロ向けと一般向けに区別して行われています。グローバルな銀行間の折衝が繰り広げられているのが「インターバンク市場」で、銀行と一般企業や個人とのやりとりの場が「対顧客市場」です。

ニュースなどで報じられているのは「インターバンク市場」における為替レートです。「対顧客市場」において適用されている為替レートには、取引に応じている銀行の手数料が上乗せされています。

円高・円安って? 円高・円安のメリットとデメリットとは?

為替レートは需要と供給(買い手と売り手の綱引き)によって日々刻々と変化しています。海外旅行に出かけた際に、出国時と帰国時の為替レートが少なからず違っていたという経験がある人も多いはずです。

では、為替レートが変動するとどういった影響が出るのでしょうか? たとえば現時点のレートが「1ドル=105円」だったとしたら、105円を出せば1米ドルと交換できることを意味しています。

その後、為替レートが変動して「1ドル=100円」になったら、先程のケースよりも5円少ない100円で1米ドルを手に入れられます。つまり、米ドルに対して円の価値が高まったわけで、この現象を円高(ドル安)と呼んでいます。

一方、為替レートが「1ドル=110円」になった場合には、当初よりも5円多い110円を支払わなければ、1米ドルに交換できなくなっています。先ほどと逆で米ドルに対して円の価値が低くなっており、この現象を円安(ドル高)と呼んでいます。

米国まで海外旅行に出かける場合なら、円高になると同じ予算でより多くの米ドルに交換できるので、歓迎すべき状況になっていると言えるでしょう。しかしながら、日本の製品を米国に輸出する場合は、円高になると特に値上げしているわけではないのに、米ドルに換算した価格が高くなってしまい、売れ行きにも影響を及ぼしかねません。

反対に円安が進むと、同じ予算で交換できる米ドルは少なくなるので、海外旅行においては不利です。これに対し、日本の製品を輸出する際には円安によって米ドルに換算した価格が割安になるので、追い風として作用しがちです。

このように、円高・円安ともそれぞれにメリットとデメリットがあるのです。

米ドル以外に、海外にはどのような通貨がある? 特に人気の通貨は?

為替レートの推移はニュースでも頻繁に取り上げられていますが、米ドル/円だけに情報が集中しているのも確かです。米ドルに次いで外国為替の決済通貨として用いられているユーロにしても、多くの人がその推移をあまり把握していないのが現実かもしれません。

しかし、FX(為替証拠金取引)をはじめとする外貨投資の世界では、他にも様々な通貨が人気を博しており、それぞれに特徴があります。

その典型例として挙げられるのは、オーストラリアが発行している豪ドルでしょう。かつては金利水準が相対的に高いことで人気を集めていました。FXで日本円を売って豪ドルを買っておけば、日豪の金利差を反映したスワップポイントと呼ばれる利益が日々得られたからです。

金融緩和政策(金利の引き下げ)が進められたことで、現在の豪ドルについてはそういった魅力が薄れてきています。スワップポイントという観点では、トルコのリラや南アフリカのランドといった高金利国の通貨に人気がシフトしてきました。

とはいえ、オーストラリアは石炭、石油、天然ガス、ウランなどを豊富に産出する資源国でもあります。人類がコロナ禍を乗り越え、やがて世界経済の回復基調が鮮明になってくれば、資源の需要もおのずと増えることから、外国為替市場でも豪ドルが脚光を浴びる可能性が考えられます。

他にも、先進国の通貨の中で値動きが比較的大きい傾向があることから、英国のポンド(£)もFXのトレーダーの間で人気です。また、その英国の統治下に置かれた時代が長かった香港の香港ドルや、米国に次ぐ経済大国となった中国の人民元も注目されがちです。

米ドル/円の為替レートの現在・過去・未来、今後の見通しは?

ここまで様々な通貨を紹介してきましたが、やはり最も関心が高いのは、世界の基軸通貨と呼ばれる米ドルでしょう。基軸通貨は国際的な取引における基準として位置づけられているもので、外国為替では米ドルをベースに他の通貨同士の交換比率も算定されるようになっています。

では、米ドルは長期的にどのような動きを示してきたのでしょうか? 過去10年間における米ドル/円相場を振り返ってみると、日本が東日本大震災に見舞われた直後の2011〜2013年にかけては概ね1米ドル=80円台で推移してきましたが、80円台を割り込む局面もありました。

現在の水準を比べれば、かなりの円高が進んでいたわけです。しかし、その後は円安へと流れが急激に変わり、2015〜2016年には120円台にまで達しています。

2016年は激動の年で、100円を割り込む水準まで円高に振れた後、年後半には一気に円安に転じて120円台をめざすような動きが見られました。2017年以降はなかなか方向感が定まらない展開となっており、110円を中心値として上下動を繰り返してきましたが、2019年以降はやや円高気味にシフトしつつあります。

それでは、外国為替相場はこれからどうなるのでしょうか。気になる今後の見通しですが、新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に大きなダメージを及ぼしていることから、各国の中央銀行が大掛かりな金融緩和策を打ち出しており、外国為替相場にも影響を及ぼしそうです。

特に関心が高いのは、米国の中央銀行に当たるFRB(連邦準備制度理事会)がどのような政策を打つのかでしょう。さらに追加の金融緩和に踏み切ればドル安要因となりそうですし、景気回復の兆候がうかがえると判断して緩和を緩めれば、ドル高に向かうことも予想されます。

まとめ

外国為替とは、国境を越えた取引に用いられている決済手段で、通貨の交換が関わってきます。そして、2つの通貨間の交換比率である為替レートは、買い手と売り手のバランスによって日々変動しており、米ドルと円の関係で言えば、円の価値が高まる円高になったり、円の価値が下がる円安になったりします。

足元ではコロナショックを受けて世界各国が大規模な金融緩和を進めており、今後の政策がどのような方向に進められるのかによって、為替レートにも少なからず影響が及びそうです。