為替相場に影響を及ぼす経済指標の見方とそのスケジュールをわかりやすく解説!

そもそも経済指標って何? 為替相場にはどう影響するの?

経済指標とは、各国における経済活動の状況を数値で示した統計データで、政府や管轄の中央省庁などが定期的に発表しています。特に注目度の高い経済指標に変化が見られた局面では、外国為替をはじめとする金融市場の推移にも大きな影響を及ぼしやすいため、FX(為替証拠金取引)を行う際には抑えておくと良いでしょう。

詳しくは後述しますが、特に外国為替市場が注視している経済指標が「米国雇用統計」です。発表された数値が事前の予想値を大幅に上回っていると、米国経済の先行きに楽観的な見方が強まり、外国為替市場で米ドルを買う動きが活発化することがあります。

逆に、発表された数値が事前の予想値を大幅に下回っていた場合は、米国経済の先行きが悲観視されます。そして、外国為替市場で米ドル売りが加速する可能性が考えられます。

「米国雇用統計」は原則として毎月第1金曜日(例外的に第2金曜日となるケースもあり)の午後10時30分(米国のサマータイム期間中は午後9時30分)に発表されるように、経済指標の公開スケジュールはほぼ確定しています。

外国為替市場が注目する主な経済指標とそのカレンダーは?

世界各国が様々な種類の経済指標を発表していますが、その中でも重要度が高く、外国為替市場で注目されがちなものをいくつか紹介しましょう。先程も少し触れた「米国雇用統計」は米労働省労働統計局(BLS)が発表しているもので、特に非農業部門雇用者数の増減と失業率の推移に関心が集まります。

なぜなら、毎月定期的に発表されて足元の米国経済の変化を捉えやすいからです。肝心なのは巷の事前予想との比較で、ギャップがあるほど外国為替市場の反応も大きくなりやすいという傾向がうかがえます。

発表直前になると、外国為替市場には異様な緊張感が漂い、市場関係者は固唾を呑んでその瞬間を待ち構えています。

同じく毎月発表される「鉱工業生産指数」は、自動車や機械、情報通信機器、電化製品などといった工業品の生産状況を示した指標です。製造業は需要の動向に応じて生産調整を行っているので、指数全体の推移とともに部門ごとの情勢を見渡せば、企業の設備投資意欲や個人消費の動向をうかがい知ることができます。


外国為替市場では、基軸通貨の米ドルを発行している米国の経済情勢を重視しており、同国の景況感を表す次の2つの経済指標もよく注目されます。そのうちの1つのは、カンファレンス・ボードという調査機関が毎月発表している「消費者信頼感指数」です。

1985年の地点を基準値(100)とし、以後の景況感の変化を100以上もしくは100未満の指数で示しています。もう1つは「ミシガン大学消費者信頼感指数」で、こちらは1966年を基準値(100)とし、その後の景況感の変化を指数化しています。

一方、四半期(3カ月)ごとに発表される主要国のGDP(国内総生産)の推移も見逃せません。GDPとは、一定期間内に国内で創出された付加価値の総額です。

米英では最初に速報値が明らかになり、それから約1カ月後に改定値、さらにその約1カ月後に確報値が発表されます。これに対し、日本は一次速報とその約1カ月後の二次速報、仏独は速報値とその約2~4週間後の確報値の2回となっています。

外国為替市場が最も敏感に反応しやすいのは速報値ですが、改定値や確報値(二次速報)で予想外の修正が出た場合も相場に影響を及ぼしがちです。

さらに、新型コロナウイルスの世界的感染拡大で個人消費にも大きな影響が及んだだけに、今までにも増して「小売売上高」の推移も多くの市場関係者が注視しているようです。「小売売上高」とは、デパートやスーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの小売業者の売上の推移を示したもので、毎月発表されるため、足元における個人消費の状況を確認できます。

ここまで紹介してきた重要な経済指標は、発表時期をカレンダーにまとめた情報サイトなどを活用して、くまなくチェックするように心掛けましょう。

経済指標の発表で利益を稼ぐ必勝法はあるの?

重要な経済指標の発表をきっかけに為替相場が大きく動くケースはよく見られるので、そのチャンスに目をつけている投資家は少なくないでしょう。特に発表前は様子見モードになりやすく、為替レートの変動が穏やかになっていく状況とは対照的に、経済指標の数値が明らかになった途端、大きく値を飛ばすことが珍しくありません。

ただし、ここで肝心なのは、すべては数値次第だということ。発表とともに為替レートが跳ね上がるのか、それとも急降下するのかは、数値が明らかになってから決まるわけです。

また、ほぼ事前予測に近い数値で、為替レートがほとんど反応しないという“空振り”も出てきます。したがって、経済指標が発表されるタイミングを狙い撃ちすれば、FXで着実に利益を稼ぐことができるという必勝法は存在しないと言えるでしょう。

ただ、事前予想をしっかりと頭に入れておいたうえで発表に臨めば、発表された数値にどのようなギャップがあったのかをすぐに理解できるはずです。そして、指標の発表を受けて為替レートがどちらに動きそうなのかも、すぐに予測できるでしょう。

たとえば「米国雇用統計」が期待以上の好結果なら、「米国経済が強いことを好感して米ドルを買う動きが活発化するから、日本円に対する為替レートが上昇する(ドル高・円安に振れる)」と予測するわけです。その筋書きに沿ってすばやく取引を進められれば、利益を得られる確率は高まってくるでしょう。

まとめ

外国為替市場の動きには、世界経済や各国の経済情勢が密接に関わっています。そして、経済指標とは足元の経済がどのように推移しているのかを推し量るためのバロメータのようなものです。

こうしたことから、「米国雇用統計」をはじめとする重要な経済指標が発表されるタイミングで、為替レートが大きく変動するケースが頻繁に見られます。その瞬間に取引のチャンスを求める投資家も多いですが、着実に利益を得るためには機敏な判断も求められます。

まだ取引に慣れないうちは、重要な経済発表の前後で実際に為替レートがどのように動くのかを観察し続けるのも良いでしょう。頭の中だけで理解するのではなく、実際に自分の目で検証を重ねることが取引にも生かされていくでしょう。