FXのトレール注文とは? その仕組みや活用方法をわかりやすく解説!

トレール注文では、為替相場の推移に応じて決済のための逆指値が自動的に修正されるようになっています。リスクを抑えながら、できる限り利益を伸ばしていくという戦略の取引をオートマチックに行える便利な注文方法です。

トレール注文はどんな仕組み? どういった注文が可能なの?

トレール(trail)という言葉に「追跡する」という意味がある通り、相場の推移に応じて決済の逆指値注文が自分で指定したトレール幅で自動修正されていくというのがこの注文方法です。トレール幅とは、発注時における為替レートと逆指値で指定した水準との差額のことで、たとえば1米ドル=105円の時点で104円逆指値を入れたとすると、「105円−104円=1円」となります。

その後に円安が進んで106円に達した場合、最初に104円で入れた逆指値はトレール幅の分だけ自動修正が行われ、「106円−1円=105円」に達した時点で執行されます。さらに円安が加速して108円になれば107円、110円になれば109円といったように、自分が想定した方向にトレンドが続く限り、逆指値のレートが自動的に切り上がっていきます。

そして、円安の流れが反転すれば、最後に修正された逆指値がヒットして決済が行われます。トレンドが転換する兆候がうかがえた時点で利益を確定し、リスクを抑えながら可能な限り利益を伸ばしていくことが可能なのです。

トレール注文はこうした決済のためだけではなく、新規にポジションを建てる際にも活用できます。その際には、2つの方法を選択することが可能です。

1つは、現時点の為替レートを基準にトレール幅を設定し、その水準まで達したら逆指値がヒットして新規のポジションを建てられるという注文方法です。相場が上昇トレンドへと転換する直前に逆張りの買いを仕掛ける際などに有効で、下落が続く間は逆指値が切り下げられていき、期待通りに反転してトレール幅を超えた時点で注文が執行されます。

もう1つは、トリガー価格(トレールを開始するレート)を指定するという注文方法です。たとえば買い注文なら、為替相場がトリガー価格まで下がった時点でトレール注文が発動され、やはり下落が続く間は逆指値が自動的に切り下げられます。そして、相場が反発に転じてトレール幅を超えると逆指値がヒットし、 新規の買い注文が約定します。

このように、トレール注文は情勢に応じてオートマチックに軌道修正が行われていくので、相場をずっと観察し続けている余裕がないという人にとって非常に便利です。ただ、どの程度のトレール幅に設定するのが最適なのかは、直近の推移を検証しながら自分なりに見定めていく必要があります。

トレール注文の上手な活用方法とは?

「魚の尻尾と頭はくれてやれ!」という言葉は、古くから相場の世界に伝わる格言です。相場の大底と天井は後に振り返ってみて初めて確認できるもので、リアルタイムでは把握できません。

そろそろ底打ちすると思って買いを入れると続落したり、まだまだ上昇が続くと信じて粘っていると反落したりといったパターンが多いのが現実です。だから、欲張らずに底打ちを確認してから買いを判断し、天井の手前で売り抜ける(尻尾と頭の部分まで値幅を求めない)のが堅実であると格言は教えているわけです。

しかしながら、トレール注文を上手く活用すれば、底打ちの初動で新規の買いポジションを建て、天井をつけた直後に素早く利益確定の決済を行うというトレードをオートマチックに展開できます。つまり、魚にたとえれば一尾丸ごとに近い域まで利益を伸ばすという欲張りな手法が可能だということです。

先述したように、そろそろ大底ではないかと推察される場面で新規買いのトレール注文を入れておけば、下落が続く間は逆指値が切り下げられ、反転してトレール幅を超えた時点で約定します。こうしてトレンドが転換した直後にポジションを建てることに成功したら、決済にもトレール注文を活用します。

冒頭でも説明した通り、上昇トレンドが続く限りはトレール幅に沿って決済の逆指値が自動修正されます。自分自身の裁量で決済のタイミングを判断すると、どうしても反落に巻き込まれるのが怖くて利益確定を急ぎがちですが、トレール注文ならその心配が無用です。

上昇が途絶えた場合も、最後に修正された逆指値まで下落に転じた時点で決済が行われるので、しっかりと利益を確保できます。また、いったん反発して新規の買いポジションが建てられたものの、すぐに再び下落へと転じてしまった場合も決済のトレール注文がヒットし、損失の拡大を防ぐことが可能です。

こうしてエントリーと決済の双方でトレール注文を巧みに活用することこそ、FXの取引を成功に導く必勝パターンだと言えるでしょう。しかも、最初に設定するだけで使い方も簡単ですから、活用しない手はないと言っても過言ではありません。

なお、トレール注文を決済に用いる際にも、トリガー価格を指定するという方法を選択できます。自分が建てているポジションが約定したレートを踏まえてトリガー価格を設定すると、相場がその水準に達した時点で決済が行われます。

ただ、便利で有利な取引が可能となるトレール注文にも弱点が存在しないわけではありません。次では、そのデメリットについて説明することにしましょう。

FXのトレール注文のメリット・デメリットとは?

ここまでに指摘してきたように、トレンドが続く限りオートマチックにリスクを抑えながら利益の拡大を追求できるのがトレール注文のメリットです。言い換えれば、上昇や下落といった明確なトレンドが発生している局面で効力を発揮する注文方法なのです。

これに対し、トレール注文のデメリットとしてはどういったことが挙げられるでしょうか? まず、トレール幅の設定次第では一時的な反落や反発といった局面で逆指値がヒットしてしまい、損失が発生してしまうケースも出てくることです。

加えて、トレール注文はなかなか方向感の定まらないもみ合い相場や、底這いを続ける低迷局面の攻略には適していません。相場が小刻みに反転すると、その度に逆指値がヒットしかねないので、こうした局面ではトレール注文を使わないほうが無難でしょう。

さらに言えば、スキャルピングのような超短期売買にトレール注文を用いるのも避けたほうがよさそうです。スイングトレードなど、もっと長い時間軸で順張り(トレンドフォロー)の取引を行う場合に使うのが基本だと言えます。

まとめ

トレンドが継続する間は決済の逆指値が自動的に修正され、リスクを抑えながら利益の拡大を追及できるトレール注文は、忙しくて相場をずっと見ていられないFXトレーダーにとっても非常に魅力的なものです。ただし、もみ合いや低迷局面の攻略には適していないので、明確なトレンドが発生している場面で活用しましょう。