FXのスキャルピングに必要な技術と、失敗しないための手法を徹底解説!

1日で取引を完結させるデイトレードの中でも、特にポジションを保有している時間が短いのがスキャルピングと呼ばれる手法です。そのメリットとデメリット、必要となってくる技術、失敗しないためのコツなどをわかりやすく解説します。

FXのスキャルピングは、どんな取引手法? そのメリットとデメリットは?

スキャルピングの語源である英単語のscalpには、「頭皮を剥ぐ」という意味があります。まるで薄皮を次々と剥いでいくかのように、わずかな値幅の利益を狙って超高速回転売買を繰り返し、小さな利益を積み重ねていくのがスキャルピングと呼ばれる手法です。

ポジションの保有時間は数秒〜数分程度で、一度のトレードで得られるのは薄利であっても、回数を重ねることでトータルでは着実に資金を増やしていくというのがスキャルピングの基本的な戦略となります。1回のエントリーで狙うのは数pips〜数十pipsの値幅ですから、上昇や下落といった相場のトレンド(方向性)が明確になっていない局面であっても、頻繁にトレードを仕掛けるチャンスが訪れます。

こうして取引の機会が多いことに加えて、ポジションの保有時間が極めて短いことから、相場の流れが反転するリスクも低くなるのもメリットです。たとえ狙える値幅がわずかでも、レバレッジを効かせればより効率的に利益を追求できます。

その反面、トレードの難易度が高いことはスキャルピングの大きなデメリットです。相応の相場観やトレードの技術が求められてきます。

短期的な相場の流れを読むのは難しいことですし、見込み違いだった場合も素早い対処が必要となります。しかも、スプレッドの幅が広い設定のFX会社でスキャルピングを行うと、回数が多くなる取引だけにコスト負担も軽視できません。

そして何より、スキャルピングに取り組んでいる間は、パソコンのモニター画面を凝視し続けることになります。「仕事の合間にスマートフォンを取り出してトレード」といったようなスタンスでは、実践するのが難しいと言えるでしょう。

FXのスキャルピングで失敗しないためのコツとは?

超ハイテンポで決済して新たな勝負を次々と仕掛けていくので、スキャルピングは非常に資金効率がいいトレードだと言えます。しかし、超短時間でエントリーや利益確定、損切りの判断を求められるだけに、難易度の高い手法であることも確かです。

できるだけ失敗しないコツは、①トレードする通貨ペア、②トレードする時間帯、③トレードの判断材料、④トレードのスタイルといった4つのポイントについてあらかじめ絞り込んでおくことが重要でしょう。それぞれについて、詳しく説明していきます。
①トレードする通貨ペア
スキャルピングに向いている通貨ペアはおのずと限られてくるものです。なぜなら、数秒〜数分の動きを捕らえて取引するため、コスト負担が重かったり、値動きが緩慢だったりすると、ほとんど利益を確保できないからです。

加えて、取引量が限られているマイナーな通貨ペアを選んでしまうと、決済をしたいのになかなか約定しないというリスクも高くなってきます。したがって、相対的に取引量が多いことは外せない条件です。

では、具体的にどのような通貨ペアに選択肢が絞られてくるのでしょうか? スプレッドが最も小さいという点では、やはり米ドル/円が筆頭に挙げられるでしょう。

ユーロ/米ドルも比較的スプレッドは狭くなっていますし、世界的に最も取引量が多いことが安心材料。値動きの大きさという観点では、英ポンド/円に妙味がありそうです。
②トレードする時間帯
トレードの時間帯については、売買が活発で値動きが大きくなりそうなゾーンに絞り込むのが得策でしょう。米ドル/円なら、東京市場がオープンしている時間帯の中でも銀行が仲値(TTM=基準レート)を提示する前後に当たる9〜11時が特に活況となりやすいと言えそうです。

ユーロ/米ドルと英ポンド/円については、ロンドン市場がオープンするのがウインタータイムの期間中で日本時間の17時頃(サマータイム期間中は16時頃)ですから、そこが取引チャンスの起点となるでしょう。22時頃(サマータイム期間中は21時頃)にはニューヨーク市場でも取引が本格化するので、さらに24時頃まで好機が続きそうです。
③トレードの判断材料
トレードの判断材料については、スキャルピングでは必然的にテクニカル分析に的を絞ることになるでしょう。超短期的な為替レートの推移には、ファンダメンタルズ(経済環境)はほとんど関与しないからです。

数あるテクニカル分析の中でも、スキャルピングに適しているものが限定されてきます。隣接する高値同士・安値同士を結んだトレンドラインによる分析や、ボリンジャーバンドと呼ばれるテクニカル指標を用いた分析が特に有効だと言われています。
④トレードのスタイル
トレードのスタイルについても、しっかりと確立させたうえで取り組むことをおすすめします。その場の思いつきで様々なトレードスタイルを試しているのでは、なかなか安定した成果を上げられません。自分が得意とする取引のパターンを見つけ出し、一貫してそのトレードスタイルで望むのが鉄則です。

FXのスキャルピングに必要な技術とは?

個人差はあるものの、誰しも経験を重ねればそれなりにトレードの技術は向上していくものです。勝つために必要な要素として技術以前に求められてくるのは、スキャルピングという特殊なトレードに対する適性でしょう。

つまり、スキャルピングは向いている人と向いていない人がはっきりしているということです。残念ながら、高い集中力を保つことに自信がないという人や、どちらかと言えば反射神経が鈍いほうだという人は、スキャルピングに挑戦しないのが賢明でしょう。

さらに、損失を被った場合も気持ちをすぐに切り替えられるというメンタル面の強さも求められてきます。行動経済学の「プロスペクト理論」においても、「利益を得た際の喜びよりも損失を出した際の失意のほうが大きい」と説かれているように、これが最も難しいことかもしれません。

スキャルピングでは、損失が発生した場合は傷がまだ浅いうちに損切り(見切り処分の決済)を行うことも鉄則となってきますが、メンタル面が邪魔をしがちなので、その実践がなかなか困難なのです。

相場の世界の格言に「見切り千両」というものがあるように、スキャルピングでは損切りに徹することも求められてきます。重要なのは勝率の高さではなく、負けた場合の損失の程度です。

勝ち方として、損失を極力小さくとどめ、利益はできるだけ伸ばすという“損小利大”のスタイルに徹すれば、たとえ勝率が5割を下回っていても、トータルではプラスにすることが可能です。

まとめ

超高速取引のスキャルピングは難易度が高く、向いている人と向いていない人がはっきりしています。とはいえ、適性さえあれば、技術は経験を重ねるにつれて磨かれていくものです。まずはごく少額の資金で練習を重ね、自分のトレードスタイルが固まってから本格的にチャレンジするのが堅実でしょう。