移動平均線とは? FXトレーダーに人気のテクニカル指標の活用法を解説!

移動平均線とは、為替相場のトレンド(方向性)を判断するモノサシとして考案されたテクニカル指標の一種です。数ある指標の中で最もポピュラーだと言える存在で、多くのFXトレーダーから高く支持されています。

移動平均線とはどんなテクニカル指標? その見方と売買シグナルとは?

移動平均線(Moving Average= MA)とは、一定間隔ごとの価格の平均値を日々計算し、その推移を一本のラインで結んだものです。目の前の為替相場は不規則な変動を示しているように見えても、その平均値の推移に目を向けると特定の傾向が浮き彫りになることあり、そういった着眼点から考案された指標なのです。

移動平均線が上向きになっていれば上昇トレンド、下向きになっていれば下落トレンド、方向感が定まらなくてほぼ一定値幅内で上下動を繰り返していれば横ばいトレンドを描いていると判断します。

通常、為替チャートには平均値の算出対象期間の異なる2〜3本の移動平均線が表示されています。2本の場合は短期線と長期線、3本の場合は短期線・中期線、長期線です。

短期線は目先の相場のトレンド、長期線は大きな潮流を示しています。1本のローソク足が日中における4本値(始値・高値・安値・終値)を示している日足チャートの場合は、5日間ごとの平均値の推移を示した5日移動平均線と、25日間ごとの平均値の推移を示した25日移動平均線のペアになっているケースが一般的です。

週足(1本のローソク足が1週間の始値、高値、安値、終値を示しているチャート)では13週移動平均線、26週移動平均線、52週移動平均線、月足(1本のローソク足が1カ月間の始値、高値、安値、終値を示しているチャート)では12カ月移動平均線、24カ月移動平均線、60カ月移動平均線のペアになっているケースが主流です。

続いて見方についてです。特に強い上昇トレンドが続いているとみなされるのは、長期線の上に中期線、短期線、為替レートの推移の順で位置しており、これらすべてが右肩上がりを描いている状況です。逆に、強烈な下落トレンドの最中にあると判断できるのは、長期線の下に中期線、短期線、為替レートの推移の順に並び、いずれも右肩下がりを示している局面です。

また、移動平均線はその向きや短期線・中期線、長期線、為替レートの推移の位置関係だけでなく、2本の線の交差から売買シグナルを察知することも可能です。ゴールデンクロスやデッドクロスと呼ばれる現象で、具体的にどういったものなのかについては詳しく後述します。

移動平均線を用いた分析法と注意点

移動平均線は相場のトレンドを示唆するだけでなく、トレードに参加している投資家たちの損益状況まで明らかにしてくれます。たとえば、目の前の為替レートが短期線よりも上の水準にあったら、それは過去数日間に買いのポジションを建てた投資家が含み益を得ていることを意味しています。

逆に短期線よりも下の水準に位置していれば、過去数日間に買いのポジションを建てた投資家は損失を出しています。では、為替レートがさらに下落して長期平均線よりも下の水準に達した場合はどのようなことを意味するのでしょうか?

その答えは、過去に買いのポジションを建てて損失を抱えている投資家の数がさらに増えるということです。こうして厳しい情勢になってくると、諦めて損切り(損失の拡大を防ぐための決済)に踏み切ることが促され、下落色がいっそう鮮明になりやすいのです。

対照的に上昇トレンドが継続しているケースでは、為替レートが短期線よりも上に位置しています。そして、一時的に下げたとしても、短期線付近で反発するという動きを繰り返します。なぜなら、上昇トレンドが続いている(短期線を割り込むことはない)と考察している投資家が多く、一時的な下げはエントリーの好機だと捉えて買いが活発化しやすいからです。

一方、2本の移動平均線の組み合わせで分析する手法もあります。短期線が長期線を下から上へと突き抜けるゴールデンクロスという現象が発生すると、上昇トレンドに転換しやすいと考えられています。反対に、短期線が長期線を上から下へと突き抜けるのがデッドクロスという現象で、こちらは売りのシグナルと言われています。

ただし、これらの売買シグナルに対する過信は禁物です。平均値は全体的な傾向を反映しやすい一方で、目先の為替レートの動きよりも遅行してしまうというデメリットがあるからです。

したがって、ゴールデンクロスやデッドクロスの発生にもタイムラグが生じがちです。移動平均線のみで判断せず、他のテクニカル指標も併用するのが無難でしょう。

「グランビルの法則」に注目して移動平均線を実践的に活用しよう!

移動平均線を用いた分析法として著名なのが「グランビルの法則」です。米国の金融記者でチャート分析家のジョゼフ・E・グランビル氏が考案したもので、買いと売りのシグナルとしてそれぞれ4通りずつ、全部で8つの法則からで成り立っています。

買いのシグナルは、①上向き始めた移動平均線を為替レートが下から上へと突破した場合、②為替レートが移動平均線を一時的に割り込んだものの、移動平均線の上昇基調に変化が見られない場合、③為替レートが下落に転じたものの、上昇傾向を示している移動平均線を割り込まずに反発した場合、④移動平均線が下降傾向を続けている中で為替レートが移動平均線と大きくかけ離れた水準まで急落した場合−−といったものです。

売りのシグナルは、①下向き始めた移動平均線を為替レートが割り込んだ場合、②為替レートが移動平均線を株価が一時的に上抜いたものの、移動平均線の下降基調に変化が見られない場合、③為替レートが上昇に転じたものの、下降傾向を示している移動平均線付近で反落した場合、④移動平均線が上昇傾向を続けている中で為替レートが移動平均線と大きくかけ離れた水準まで急上昇した場合−−といったものです。

なお、買いと売りのシグナルのどちらにおいても、あくまで④は短期的な揺り戻し(自律反発・自律反落)に着目したものです。つまり、短期勝負が大前提となってきます。

まとめ

移動平均線は多くの投資家から支持されているテクニカル指標で、その向きや2本の線の関係、為替レートとの位置などから様々な状況を把握できます。特によく注目されているのはゴールデンクロスやデッドクロス、さらに「グランビルの法則」などです。

FX取引を始めるなら、テクニカル分析の基本とも言えるものですし、分析方法も難しくありませんから、実際のチャートを見ながらその法則性について理解を深めましょう。