FXのレバレッジはどんな仕組み? そのメリットとデメリットを徹底解説!

レバレッジ(leverage)とは、小さな力を大きな力に変えて重いものを動かす「てこ」を意味する言葉です。FXの取引では、まるで「てこ」のように、少額の資金を預けるだけで大きな取引を行えます。

レバレッジ取引と呼ばれるもので、それが可能なことがFXの大きな魅力となっています。今回は、レバレッジ取引の仕組みやそのメリット・デメリットなどについて徹底的にわかりやすく解説します。

FXなら、少額の資金でも大きな取引ができるってホント?

FXの取引では「差金決済」と呼ばれる方式が採用されていることから、レバレッジ取引が可能となっています。「差金決済」とは、実際に外国通貨などの現物をやりとりせず、買値と売値の差額に相当する金銭の受け渡しだけで完結させる取引を意味しています。

「差金決済」では、取引のために必要となる資金の全額ではなく、その所定の割合に当たる証拠金(担保)を預けるだけで売買を行えるようになっています。これがレバレッジ取引と呼ばれるものです。

たとえば、通常の取引において日本円で10万円相当額を投資し、1万円の利益が得られたと仮定しましょう。利回りに換算すれば、「1万円÷10万円=10%」となります。

これに対し、FXのレバレッジ取引なら1万円の証拠金を預けて10万円相当額の投資を行うことが可能です。同じく1万円の利益が得られたとしたら、「1万円÷1万円=100%」に利回りが大幅アップします。

このケースの場合、証拠金の10倍に当たる取引を行っているので、「10倍のレバレッジを効かせる」と表現します。レバレッジをまったく効かせない場合はレバレッジ1倍です。

国内ではどのFX会社や証券会社で取引を行った場合も、個人名義の口座においては証拠金の最大25倍、法人名義の口座においては最大100倍のレバレッジを効かせられます。最大レバレッジが横並びの設定となっているのは、金融庁が規制を設けているからです。

レバレッジにはどんなメリットとデメリットが? 特に注意すべきポイントは?

先程の例のように、レバレッジを効かせると限られた元手を何十倍にも活かし、非常に効率的に収益を追求できます。レバレッジの倍率を高くするほど、その効率性は高まることになります。

ただし、このレバレッジ取引のメリットはデメリットにも結びついてしまうことが最も注意すべきポイントです。なぜなら、予想とは反対方向に為替相場が変動して損失が発生した場合にも「てこ」の力が働いてしまうからです。

無計画に高いレバレッジを効かせていると、わずかなレートの変動でも大きな損失が発生し、すぐにロスカットが発動される可能性が高まります。ロスカットとは、一定以上に損失が拡大しないために執行される強制決済のことです。

相場の変動で含み損(未確定の損失)が発生し、その金額分だけ「有効証拠金」が減って「必要証拠金」を下回り、所定の「証拠金維持率」を割り込んだ場合に、自動的にロスカットが行われてポジションが決済されます。なお、「有効証拠金」は含み益・含み損を加味した口座残高のことで、「必要証拠金」はその取引に求められる最低限の証拠金額を意味しています。

「証拠金維持率」は「有効証拠金額÷必要証拠金×100」という計算式で算出した数値で、これが所定の数値を割り込んだ時点でロスカットが執行されます。所定の数値については、FX会社や証券会社によって異なっています。

たとえば、「証拠金維持率」が80%のケースで考えてみましょう。レートが1米ドル=100円のタイミングで、米ドル/円に25倍のレバレッジで1万通貨の買いを入れたと仮定します。

このケースの「必要証拠金」は4万円で、口座残高(その時点の有効証拠金)は5万円だったことにします。やがて、予想に反して米ドル安・円高が進み、1米ドル=98円19.5銭に達するとどうなるでしょうか?

評価損は「1米ドル当たり1円80.5銭の為替差損×1万通貨=1万8,050円」となって、これを差し引いた「有効証拠金」は3万1,950円に減ってしまいます。その結果、「証拠金維持率」は「3万1,950円÷4万円×100=79.875%」となって80%を割り込み、ロスカットが執行されます。

このように、高いレバレッジを効かせたうえ、「有効証拠金」と「必要証拠金」の金額にさほど違いがないと、2円足らずの為替変動でもすぐロスカットに至ってしまうのです。

FXのレバレッジ取引では、資金管理(マネーマネジメント)が重要に!

追加の資金を投じたとしても、むやみにレバレッジの高い取引を続ければ、その後もロスカットが発生しやすくなります。そして、ロスカットの度に追加投入を繰り返しても、いずれは資金が尽きてしまうことにもなりかねないでしょう。


そのような結末に至らないためにも、FXのレバレッジ取引ではきちんと資金管理(マネーマネジメント)を行うことが大切です。とはいえ、難しく考える必要はありません。

レバレッジの倍率を自分で選択できるFX会社の場合、最初は3倍前後にとどめるようにするといいでしょう。レバレッジが固定されているFX会社の場合は、注文を出す前に「実効レバレッジ」の数値をチェックし、それが3倍程度にとどまるようにポジション量を減らせば、過度のリスクを取らなくてすむでしょう。

「実効レバレッジ」とは、「有効証拠金」に対して現在のポジションが何倍に達しているのかを示した数値です。「有効証拠金」が「必要証拠金」よりも多ければ多いほど、「実効レバレッジ」も低下します。

併せて、損失が発生した場合もロスカットになる前の段階で、自分自身で“損切り”を敢行するのが無難です。諦めてポジションを決済するのが“損切り”で、それによって損失は確定するものの、深傷を負わなくてすみます。

まとめ

少額の資金で効率的に利益を追求できるレバレッジは、FXの取引において強力な武器となります。しかしながら、手元資金(有効証拠金)に対して過度に高いレバレッジを効かせると、大きな損失を被るリスクも高まってしまいます。

FXで着実に資産を増やしていくうえでは、予想が外れた場合に発生する損失を極力抑えることが肝心。損失を小幅にとどめることを心掛けることが資金管理(マネーマネジメント)の基本であり、成功のための第一歩だと言えるでしょう。