FXの取引におけるエントリートポイントの見つけ方とは?

エントリーポイントとは、FXで買いや売りのポジションを建てる起点のことです。為替相場はつねに動いていますが、利益の獲得につながるエントリーのチャンスは限られているので、そのタイミングの見極め方についてわかりやすく解説します。

エントリーポイントの見つけ方がわからない

英語でエントランス(entrance)は入口、イグジット(exit)は出口を意味します。FXの取引では、新規のポジションを建てる地点が入口、決済してポジションを閉じる地点が出口に相当します。

為替相場のトレンド(方向性)を見定めてその流れに乗る「順張り(トレンドフォロー)」のスタンスなら、上昇の波(もしくは下落の波)の初動段階でエントリーしたいところでしょう。これに対し、間もなく相場の流れが反転することに期待する「逆張り」のスタンスなら、底値圏や天井圏で売りや買いの動きがクライマックスに達しているポイントに注目するはずです。

しかし、為替相場はつねに小刻みな動きを繰り返しているだけに、なかなかトレンドを把握できなくてエントリーポイントの見つけ方がわからないという人が意外と多いです。上昇トレンドや下落トレンドの出発点は為替チャートやテクニカル指標を分析すれば判明するのですが、FXの初心者や経験の浅い投資家はその方法がピンとこないようです。

そこで、今回はテクニカル分析を中心としたエントリーポイントの見つけ方について解説することにします。

「ダウ理論」を知ればエントリーポイントを判断できる!

FX取引におけるエントリーポイントがわかるようになるためには、相場の基本的な流れを理解しておく必要があります。そのことを教えてくれるのが「ダウ理論」です。

「ダウ理論」とは、19世紀に米国でジャーナリストや証券アナリストとして活躍したチャールズ・ダウ氏が確立したものです。ダウ氏は、今日まで発行が続いているウォールストリート・ジャーナルの前身やニューヨーク・ダウ(ダウ・ジョーンズ工業平均株価)の生みの親として知られています。

ダウ理論は6つの基本法則から構成されていますが、エントリーポイントを見つけるうえではそのうちの3つにフォーカスを当てます。具体的には、①トレンドには3種類ある、②長期トレンドは3段階から成る、③明確な転換シグナルが発生するまでトレンドは継続する−−という3つです。
①トレンドには3種類ある
3種類のトレンドとは、長期トレンド(1年~数年のサイクル)、中期トレンド(3週間~3カ月のサイクル)、短期トレンド(3週間未満)です。長期トレンドの中でも相場は小刻みな上下動を繰り返しており、それらが中期トレンドや短期トレンドを形成していると考えられています。

エントリーポイントを探るうえでは、まず長期のトレンドを確認し、続いて中期、短期のトレンドへと視点を移していくのが基本です。たとえば長期と中期が上昇トレンドを示している中で目先が下落色を強めているようなケースがあり、そうなると短期のスパンで売りのレードで攻める場合に期待できる値幅がどうしても限られてきます。

長期トレンドの形成には、政治経済や金利の推移などといったファンダメンタルズ要因も大きな影響を及ぼしがちです。したがって、相場の大きな流れを読む際にはファンダメンタルズ面にも目を向ける必要があります。
②長期トレンドは3段階から成る
長期トレンドは先行期、追随期、利食い期の3つ段階に分割できます。先行期は目ざとい少数派の投資家が相場の底打ちを見越して仕込み始めるタイミングで、その動きが活発化してくると上昇基調が次第に強まってきます。

相場の上昇が顕著になってくるとともに、大勢の投資家が群がってさらに勢いを増してくるのが追随期です。先行期にいち早く仕込んでいた投資家が利益を確定させる局面が利食い期で、まだ上昇は続いているものの、利食い売りに押されてそのピッチは鈍ってきます。

いずれの段階でもエントリーして利益を稼ぐことは可能ですが、先行期を素早く察知するのは容易ではないでしょう。また、利食い期も決済のタイミングが遅れると相場の反転に巻き込まれかねず、追随期の初期にエントリーして利食い期に決済するというパターンが最も現実的だと言えそうです。

③明確な転換シグナルが発生するまでトレンドは継続する
3つ目の基本法則はまさに「読んで字のごとく」で、チャートやテクニカル指標において転換シグナルが確認されるまで、トレンドは継続し続けると考えられています。言い換えれば、トレンドの転換シグナルは、新たなトレンドの発生を暗示しており、エントリーのチャンスである可能性が考えられるわけです。

エントリーポイントの注意点とは? エントリーの根拠を強化する方法とは?

隣接する安値同士を結んだサポートライン(下値支持線)と高値同士を結んだレジスタンスライン(上値抵抗線)をチャート上に書き込むことも、エントリーポイントを探る際に有力な判断材料になります。トレンドが継続している局面では、サポートライン付近で下落が止まりやすく、レジスタンスライン付近で上昇が途絶えやすくなります。

サポートラインを大きく割り込んだり、レジスタンスラインを力強く突破したりする現象が見られれば、それはトレンドが転換したシグナルとみなせます。つまり、そういった地点がエントリーポイントとなる可能性が高いのです。

デイトレードのように為替相場の短期トレンドに着目してFXの取引を行う際には、特にこうしたテクニカル分析によるエントリーの判断が重要となってきます。インターネット上で達人トレーダーのエントリーポイントの判断法を公開しているケースもあるので、それらを参考にするのも一考でしょう。

ただ、エントリーポイントを探る際に注意したいのは、特定のトレンド転換シグナルだけで判断して決め打ちしてしまうことです。テクニカル分析は法則性の高い現象に注目するものですが、100%の確率で必ずその通りになると断言できるものではなく、“だまし”と呼ばれる例外的な現象も発生します。

したがって、複数の判断材料に目を向けて総合的に判断することが重要です。様々な角度からトレンドの転換が確認されれば、それだけエントリーの根拠も強化されることになります。

先程のサポートラインやレジスタンスラインなどとともに、判断材料として活用できるテクニカル指標の一例がボリンジャーバンドです。ボリンジャーバンドでは、移動平均線の上に+1σ、+2σ、下に-1σ、-2σと呼ばれる4本の曲線が描かれています。

為替レートは±1σの範囲内で推移する可能性が最も高く、±2σまで達するのはレアケースです。+2σ〜-2σの帯の幅はトレンドの転換点が訪れると収縮し、上昇(もしく下落)トレンドが顕在化すると拡大する傾向があり、こうした特性がエントリーの判断材料となってきます。

まとめ

単にチャートを眺めているだけでは、どの局面がFX取引のエントリーポイントなのかがピンとこないかもしれません。しかし、「ダウ理論」のような相場の法則性を理解し、サポートラインやレジスタンスラインのようなテクニカル分析の基本をマスターすれば、意外と簡単にエントリーポイントを見つけられるようになります。

ただし、特定のトレンド転換シグナルだけを見て過信するのは禁物です。必ず複数の判断材料をもとに、根拠を強化したうえでエントリーするようにしましょう。