FXの「ナンピン」とは? 「ナンピン」のメリット・デメリットについて解説!

「ナンピン」とは、FXの取引や株式投資などにおける売買手法の一種ですが、なるべく用いないほうが無難だと忠告する専門家も少なくありません。いったいどのような手法で、どういったところに注意点があるのかについて、わかりやすく説明します。

FXの「ナンピン」とは?

「ナンピン」は漢字で書くと「難平」で、「難」は損失、「平」は平らに(平均化)することを意味しています。FXに限らず、投資の世界で広く用いられている専門用語です。

具体的に「ナンピン」とは、エントリー後に相場が予想とは反対方向に動いて損失が発生した場合に、さらに追加の資金を投じることで、平均の約定レートを下げる行為を意味しています。具体例を挙げながら説明を進めることにします。

たとえば1米ドル=103円の時点でそろそろ米ドル高・円安に流れが反転すると予想し、日本円売り・米ドル買いのポジションを建てたと仮定しましょう。ところが、意に反して米ドル安・円高の流れが止まらず、1米ドル=102円に達したとします。

ここで追加の資金を投じて同じ通貨量の買いポジションを建てれば、平均の約定レートは「(103円+102円)÷2=102.5円」になります。それまでは103円まで米ドル高・円安に反転しなければプラスマイナスゼロとならなかったのに対し、この「ナンピン」を行ったことで損益分岐点を下げられたわけです。

もちろん、「ナンピン」は売りにおいても活用できます。1米ドル=103円の時点で米ドル安・円高が続くと予想し、米ドル売り・日本円買いのポジションを建てたケースで考えてみましょう。

予想が外れて米ドル高・円安に相場が反転し、1米ドル=104円まで戻したとします。ここで同じ通貨量の追加売りを入れれば、平均の約定レートは「(103円+104円)÷2=103.5円」になります。

それまでは103円まで米ドル安・円高に触れた水準が損益分岐点だったのに対し、それよりも0.5円も下の水準にハードルが下がったわけです。このように説明すると、「ナンピン」という手法は非常に有効だと感じるかもしれません。しかし、特にFXの初心者は注意を払うべき売買手法だと言われています。

なぜ、「ナンピン」は初心者には向かないと言われているの?

昔から相場の世界では、「下手なナンピンは素寒貧(すかんぴん)」など言われてきました。「ナンピン」を多用しているとジリ貧に陥り、やがては「素寒貧」、つまり無一文になりかねないので、むやみにこの手法を用いるべきではないという意味合いの教えです。

特にFXの初心者は、できるだけ「ナンピン」は避けるべきだと言われています。いったい、それはなぜでしょうか?

本来の「ナンピン」とは、自分が予想した方向へと相場が動くと確信し、目の前の反転(予想とは逆の動き)は一過性のものだと捉えた場合に選ぶべき手法です。その通りの展開になれば、損益分岐点を下げられるので非常に効果的だと言えます。

しかし、その後に自分が予想した方向へと相場が動かなければ、むしろ「ナンピン」を行ったことが災いし、損失をさらに大きくすることにも結びついてしまいます。予想外の動きとなっているのは一時的な現象にすぎないとリアルタイムで判断するのは、初心者にとって至難の業だと言えるでしょう。

しかも、さらに「ナンピン」を行うと損益分岐点を下げられることがアダともなりがちです。期待外れの方向に相場が進めば進むほど「ナンピン」を繰り返し、気がつけば追加投入できる資金が底をついていたというパターンも珍しくありません。

「一時的に流れが変わりうる局面なので、ナンピンも念頭に置いておく」との戦略を立ててトレードに臨む場合も、回数や水準、投入額などをあらかじめ定めてしっかりと資金管理を行うことが大前提となってきます。つまり、綿密な計算に基づいて行うのが「ナンピン」を用いたトレードの鉄則なのです。

「ナンピン」を用いたトレードのメリットとデメリット

「ナンピン」のメリットはすでに説明した通り、損益分岐点を下げられることにあり、そのやり方自体も簡単です。一方で、そのデメリットは自滅行為となりがちなことです。

「ナンピン」の繰り返しは自分の予想が外れていることをいっこうに認めないことを意味し、先述したように貴重な資金をいたずらに減らしてしまうことにつながりかねません。トレードで着実に利益を蓄積していくための秘訣は「損失をできるだけ抑えること」にあり、「ナンピン」の多用はその真逆の行為ともなってくるわけで、まさに失敗パターンの典型例だと言えます。

自分の予想が外れた場合は、潔く「損切り」を行って損失の拡大を防ぐのが基本です。したがって、初心者は最初から「ナンピン」に手を出すのは避けたほうが無難でしょう。

投資経験を重ねて機敏な判断・対処が可能になってきたら、戦略的に「ナンピン」を活用したトレードを仕掛けるのも一考です。「打診買い」という言葉があるように、今後の相場展開にかなりの確信を抱けるという局面はそう多くありません。

そこで、最初から資金の投入を何度かに分けることを前提としておくのです。相場の情勢を観察しながら、自分の予想とかなり異なる展開にならない限り、少しずつ資金を投じていきます。

その過程においては、相場の推移次第で結果的に「ナンピン」を行ったことになり、損益分岐点を下げる効果を発揮するケースも出てくるでしょう。こうして明確なビジョンに基づいて計画的に採り入れれば、最強の効果を発揮する「ナンピン」が可能となります。

まとめ

損益分岐点を下げられるのが「ナンピン」のメリットですが、無計画に多用するといたずらに損失を拡大させて、資金をどんどん減らしてしまう結果に結びつきかねません。まだ初心者のうちは、できるだけこの手法を用いないのが賢明です。

それなりの投資経験がある人も、計画的かつ戦略的に「ナンピン」を活用し、明らかに自分の予想が外れている場合は潔く「損切り」に踏み切るのが原則です。